江戸川乱歩全集 第4巻 孤島の鬼 (光文社文庫)江戸川乱歩 ¥ 980 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
江戸川乱歩全集 第4巻 孤... | |
| 数多くの珠玉の短篇に比べて長編はちょっとー、という江戸川乱歩ですが、こと“孤島の鬼”に至っては俄然弁護したくなります。 奇形児、ホモセクシャル、グロテスクな不可能犯罪、ねじ曲がった人間の復讐心―と、とにかく“ゲテモノ”と見なされかねない要素のオンパレードなのですが、ラストの諸戸道夫の手紙を読んだとき、人間の業というもの深さに“もののあわれ”さえ感じてしまいます。 人間というのはかくも自分というものを他人に受け入れてもらいたいものなのかー。 それまで人間界の常識からおよそかけ離れた地獄絵図ばかりの展開だった物語がここに来て、何か一筋の希望(?)すら与えるような閉じ方をしています。 一応怪奇探偵小説という範疇に含まれている作品ですが、本当はジャンル分けできない唯一無二の幻想譚です。 また(ちょっと書くのが恥ずかしいのですが)洞窟の中で、死を覚悟した諸戸が主人公に肉体を迫る場面の描写は、ホモセクシャルでもなんでもない私でさえ強烈なエロティシズムを感じてクラクラしてしまいました。 ホントにスゴイものって、好き嫌いを超越してしまうのですね。 この作品は一応映画化されています。 石井輝男監督の... | ||
銃とチョコレート (ミステリーランド)乙一 ¥ 2,100 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
銃とチョコレート (ミステ... | |
| 作者のバランス感覚がとても楽しめた一作。正義のヒーローはいつまでも正義のヒーローではなく、悪党もいつまでも悪党ではない、大なり小なりの固定された価値観がぐるぐるに揺らがされて、それでも「またか」とは思わせず、それが自然の摂理であるかのように納得してしまう、そういう優れたバランス感覚で成り立っていました。 唯一アンバランスだったのは中途半端な主人公の存在。GOTHぐらい思い切っても良かったようにも思います。とても楽しめました。ロイズとドゥバイヨルの二人による探偵物語の続編を読んでみたいと強く思いました。一筋縄ではいかない楽しいものになりそうなのですが、子供向けにはならないかもしれませんね。少年少女向き、と銘打ちながら、ヒーローであるべき探偵を 陰湿に、醜く描く点あたりは結構乙なものである。 それでこそ少年が自らの意思で動こうというものだ。 時代設定や世界観・謎解きなどはまあ凡庸であるが ところどころ順当にストーリーを流さない、 天邪鬼な点は現代世相を表しているようで妙にリアル。80点という評価が当てはまる良ミステリ。 読みなれた人は45ページで6割は解る。 あとの3割は読んでるう... | ||
グラスホッパー伊坂幸太郎 ¥ 1,575¥ 140¥ 2,218 ★★★★ |
グラスホッパー | |
| 伊坂幸太郎初体験の作品でした。 描写はとてもリアルですごいと思いましたが、ストーリーとしてはあまり引き込まれること もなく、なんだかとても重苦しい感じになってしまいました。 現代社会の闇のような部分を表現しているような気もしましたが、いまいちよくわからない 感じでした。伊坂作品に慣れていないからなのでしょうか? Amazonの書評を見ると、従来の伊坂作品とはちょっと変わっていて、転換点のような作品 らいしいので、初体験としてはちょっと選択ミスだったかもしれません。仕事だからかもしれませんが、人を殺すことに 抵抗がなく、あっけらかんとしているのは、 現代だなあと思いました。 思ったんですけど、この作家さんの作品で、 大量殺人をする人が出てきたら、必ずどこかで 死んでしまうような気がします。 今回の作品は、あまり繋がってる感がなくて、 残念でした。でも、十分面白かったです。伊坂作品でも異色の物語ですが、個性的なキャラクターはまさに伊坂幸太郎と感じる作品です。他のレビューではラストが簡単にまとめられているや、ネタばれになるので伏せますが、馬鹿息子の事件の犯人があれでは、などとあります。け... | ||
チルドレン伊坂幸太郎 ¥ 1,575 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
チルドレン | |
| 陣内の突飛な行動、言動がとても印象的だった。陣内にとってはそれが突飛な行動、言動とはまったく思ってもいないと思わせるような表現も実にうまいと思った。具体的には、「長瀬が主婦からお金をもらったときに、長瀬だけずるい。目が見えないなんて関係ない」とか、「いじめられている学生を助けるのに、あえてその学生を思いっきり殴ったりする」とか、「ビデオ屋の店員に振られたときにこの公園の時間は俺のために止まっている」というような部分が印象的だった。また、長瀬は目が見えないにも関わらず優れた洞察力・知能をもっており、目が見えない分、音や匂いなどに敏感で温厚であるこの青年も非常に魅力的だった。 日常生活のなかで起こる非日常な奇跡。 いたるところに伏線があって、それがいつ炸裂するのかが楽しみで、読みすすめてしまう。伊坂幸太郎さんの作品はこれが2冊目でした。 まるで映画やドラマを見ているかのようにサラリと読めてしまいますが、 かっこいい台詞が所々にちりばめられているので、 少しでも自分に染みこむようにと何度も読み返したくなります(笑)。 少年問題や家裁調査官という仕事に興味のある方にも おすすめなのではない... | ||
黒蜘蛛島 (カッパ・ノベルス―薬師寺涼子の怪奇事件簿)田中芳樹 ¥ 820 通常3〜5週間以内に発送 ★★★★ |
黒蜘蛛島 (カッパ・ノベル... | |
| 著者が気軽に書いていそうな作品なので、気軽に読みました。 趣味的にはちょっとアニメちっく過ぎるかなとも思いましたが、おもしろかったのはおもしろかったです。 涼子はエロ格好いいですね。海外を舞台にしたシリーズとしては二作目でしょうか。やや、マンネリ気味だなぁと思っていたので買うつもりはなかったんですが、移動の暇つぶしについ購入。笑えるし、キャラは相変わらずだし、安心感はあると思うのですが、涼子の魅力は段々薄れてきたような。(一作目の彼女が一番いいと思う)主役二人の微妙な距離感が好きだったので、あまりべたつかせないで欲しかったんだけど、妙に今回はラブラブだった気が。何か合わない……。ていうか、田中氏に甘い描写などを求めていないので、違和感があるんだと思います、きっと。後個人的なことで気になったのは涼子に某名作小説をけなしたような台詞があったこと。小説のキャラとはいえ、なんだかかちんときた。社会批判もいいんだけど、溜飲を下げるにはややパワーダウンした感じが否めない気も。まぁ暇つぶしに読むには最適だったと思いますけどね。次回作が近いうちに出るようですが、この調子ならもう買わないかな。ここま... | ||
配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)大崎梢 ¥ 1,575 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
配達あかずきん (ミステリ... | |
| ◆「パンダは囁く」 寝たきりになってしまった近所のおじいさんに頼まれ、 本を探しにきた高校生の西岡君。 しかし、彼がおじいさんから聞いてきた内容は、 「あのじゅうさにーち」「いいよんさんわん」「ああさぶろうに」 そして「出版社はパンダ」という意味不明のものだった……。 本屋ならではの暗号ミステリ。 この真相を知ってからは、しぜんと本の「××」に注目するようになりましたw 本にもいろいろありますけれど、これは本好きに愛される類の本だと思います。もちろん、普段あまり本を読まれない方にもおすすめですが。 駅ビル6階にある書店・成風堂書店でてちょっと変わった事件を書店員杏子とアルバイト多絵のコンビが解決していくミステリ短編集です。普段はなにげなく利用してますけど、本屋さんてほんとうに大変なんですね。 ・「パンダは囁く」…キーワードは「いいよんさんわん」と「パンダ」。これをヒントに本を探して欲しいと依頼された二人。何故こんなキーワードなのかという点がなかなかに面白かったです。 ・「標野にて 君が袖振る」…和歌を上手く使ったオチが秀逸です。くわー、この... | ||
ユージニア恩田陸 ¥ 1,785 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
ユージニア | |
| 大量虐殺となった毒物混入事件を色々な視から見ることで描いた作品。「Q&A」と同じような仕組みですが、ぼんやりとした雨に包まれた雰囲気が小説全体を包んでいて、1人の容疑者とも言える女性が雨の向こうに見え隠れします。 ユージニア、私のユージニア。 私はあなたと巡りあうために、 ずっと一人で旅を続けてきた。 殺人現場におかれた謎の詩に、ゆっくりと流れた時間。時間の流れを味わいながらゆっくりと読み進めてください。恩田陸さんらしい作品だと感じました。証言をあつめていくという小説のスタイルは、おそらく有吉佐和子の「悪女について」で一定の形式を整えたものといっていい。その後、この形式は宮部みゆきに引き継がれ「理由」を生むことになる。「理由」で頂点に達したこの形式は、あとはバリエーションをつけなければ既視感のあるつまらないものになってしまうだろう。そこで恩田陸の「Q&A」「ユージニア」と貫井徳郎「愚行録」が存在するわけだ。「ユージニア」は、ある大量殺人事件を追った小説(?)を書いた満喜子という女性をさらに追うという形式をとっている。もちろん、インタビュー形式なのだが、途中「三人称文体」... | ||
乱鴉の島有栖川有栖 ¥ 1,785 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
乱鴉の島 | |
| 時事の色々なことを詰め込みすぎたと思う。 導入部分とか、どうでもいい背景説明が長すぎる。 ヒミツもどのくらい大事な秘密なのか疑問。 ストーリー練る順番を間違ったんじゃないかしら? 有栖川作品としては平均的な出来と思う。可もなく不可もなくで、ミステリとしてはいまいち魅力に乏しい。 火村シリーズで4年ぶりの長編ということもあってか、火村・有栖川コンビがいまいち冴えない感じなのが残念特に有栖川の暴走(本当はそうでもないのだが)にはしらけてしまう。 メイントリックは、それはそれで面白いのだが、本筋とは関係ないような気がするのは私だけではないだろう。 クローンとか巨億を稼ぐ青年実業家とか、時事ネタに走っているのもちょっと。古本屋で100円だったのと、前から「有栖川というのがすごいペンネームだな」と思っていたので購入してみました。 …これは… 好きな人には好きな類でしょう。でも本格的ミステリーかどうかと言われると… ライトノベルに分類されても良いと思います。 中学校の図書室などに置いて、「読書嫌いの人でも読みやすい!」というポップをつければ 人気がでるような、そんな作品です。 でもここ... | ||
江戸川乱歩全集 第9巻 黒蜥蜴 (光文社文庫)江戸川乱歩 ¥ 980 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
江戸川乱歩全集 第9巻 黒... | |
| 『黒い虹』『黒蜥蜴』『人間豹』『石榴』を収録。 リレー小説の一部の『黒い虹』はともかく 硫酸による殺人を核とした『石榴』 妖異な怪人が跋扈する『人間豹』 妖艶な婦人が残虐なる犯罪を行う『黒蜥蜴』は 乱歩が得意とする通俗的ホラーが満載で 今をもって乱歩の耽美なる世界に圧倒されます三島由紀夫が戯曲を書いた、美輪明宏のハマリ役となった・・・という外部情報によって未読ではあったけれど「黒蜥蜴」という本の存在は知っており、気にもなっていたので光文社文庫版の全集が発売された機会に買っておいた。戦前に発表されたこの作品を現在読むと月日の流れに耐えられない部分が散見し、それほど面白いものではない。古典になりうるような普遍性、完成度もない。ただこれが江戸川乱歩なのだという気がする。「えっ、そんなバカな!」と絶句する展開、描写もひっくるめて楽しんでしまったほうが勝ちだろう。「芋虫」や「人間椅子」等の初期短篇は時代を超越するグロテスクなアイディアに満ちていて今でも充分楽しめると思う。三島の戯曲がとても気になった。この本には「黒い虹」「黒蜥蜴」「人間豹」「石榴」の4編が収録されている。「黒蜥蜴」「人間豹」... | ||
江戸川乱歩全集 第10巻 大暗室 (光文社文庫)江戸川乱歩 ¥ 920 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
江戸川乱歩全集 第10巻 ... | |
| 小学校の図書室でむさぼるように『少年探偵シリーズ』を読んだあの頃を思い出し、読了後「はーっ・・・」と溜息。昔、同シリーズを面白いと感じた人は即買いで。今、読み返してみるとトリックや展開は予想がついてしまうけど、乱歩の少年探偵モノに、玄人好みのテクニックは必要ない!冒険、スリル、そして正義・・・多くの人が忘れてしまったもの、なくしてしまったものがこの中にあり、それゆえの新しさが感じられます。一つ残念なのはポプラ社から発行されていた際にあった挿絵は移植されていないこと。でも星五つ!なのです。少年探偵団シリーズも非常に面白くて、購入したその日に読んでしまったほどなのですが、「大暗室」にも感激したので…。「大暗室」、メインの青年二人はまさに白と黒の対のような存在。まずこの二人の性格と立ち位置の、明確に対照的なところから面白い。悪と正義と、あまりにはっきりし過ぎていて、この事からもラストがどうなるかは解り切っているのだけれど、小説においてラストなどはどうでもよくて、要は過程をどれだけ描けるかというのが小説家には問われるもので、その点においては流石乱歩といったところ。しかも、正義と悪と、どちらが... | ||
江戸川乱歩全集 第26巻 幻影城 (光文社文庫)江戸川乱歩 ¥ 980 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
江戸川乱歩全集 第26巻 ... | |
| 1951年(昭和26年)刊行、探偵・推理小説の巨星、江戸川乱歩の評論集です。戦後間もない昭和20年代。海外の探偵小説、怪談作品を興の赴くまま、あれこれと読んでいった乱歩翁。その作品のどの辺が面白かったのか。この種の探偵小説(今で言うところのミステリー小説)のジャンルとしての味わいは、どの辺にあるのか。この作品とあの作品を比べてみると、探偵小説としてどちらがより魅力的だろうか。といったことを書かずにはいられない、そんな気持ちで熱を込めて書き綴っていく乱歩翁。幻影城の主の、探偵小説への愛着と熱意が、行間からひたひたと伝わってきます。ただし、取り上げた探偵小説の話の筋、トリックの妙味などをかなり詳しく語っているところがあるので、クラシックな海外ミステリー、特に本格作品をまっさらな気持ちで読んでいこうと考えている方には、不向きの評論集かもしれませんね。でも、私にとって本書は、小泉喜美子さんの『メイン・ディッシュはミステリー』(新潮文庫 ※絶版。なんでなんだあ!)とともに、最もシンパシーを感じる海外ミステリーの評論・エッセイ集です。江戸川乱歩は、多くの評論を残していますいますが、中でも「幻影城... | ||
ファウストvol2乙一 滝本竜彦 佐藤友哉 西尾維新 ¥ 1,100 通常4〜5日以内に発送 ★★★★ |
ファウストvol2 | |
| この中で一番面白いのは、滝本竜彦と乙一であり、それ以上は読む必要があるって言うと? 舞城は翻訳だし、佐藤友哉は別に面白くないし、西尾維新は前よりもよかったけど、所詮りすかだし。だけど、とにかく清涼院がいるページは全部潰したほうがいいと思う。ページの無駄だろ。黒色のポカリスエット/佐藤友哉上昇志向って何かを考えさせられるあとは祖父さんがカッコイイ最強おらが村 最強 | ||
三毛猫ホームズの危険な火遊び (カッパ・ノベルス)赤川次郎 ¥ 800 通常24時間以内に発送 ★★★ |
三毛猫ホームズの危険な火遊... | |
| 相変わらずサービス旺盛な「三毛猫シリーズ」になっています。 例によって、終盤になって急激な展開で意外な結果になると言う話なのですが、今回は、ホームズも晴美も見ているだけに近い展開で、やや期待はずれでした。もっと、事件を予防するところからの活躍を期待したのですが・・・。 | ||
ぼくと未来屋の夏はやみねかおる ¥ 2,100 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
ぼくと未来屋の夏 | |
| 「未来屋」と名乗る不思議な男の人との出会いとともにはじまる小学六年生の風太の夏休み。 それは、神隠しの森で犬が消えたり、首なし幽霊に出会ったりと、とびきりの夏休みでした。 子供のころにこんな夏休みを過ごせたら幸せだっただろう、と思います。 大人になってしまったけれど、本の中でだけれど、素敵な夏休みを体験できて幸せだと思います。 一瞬一瞬がきらきらきらめいているような、そんな夏休みをお楽しみください。小学校最後の夏休み。風太の前に現れたのは、未来を売る「未来屋」の猫柳さん。彼は、未来の予想を売るのではなく、確実な未来を売るのだという・・・。派手な事件が起るわけではなく、主人公の住む町に起こったちょっとした非日常的な謎が、猫柳さんによって解決されるさまは、読んでいて小気味いい。どの謎も、ラストに向けて収束していく構成がまた面白い。そして、結局解決できない(猫柳さんには分かっているけれど、風太には伝わっていないー本編には書かれていない)謎を残すところがまた、はやみねさんだなあと。テンポが良く、たたたっと進んで行く文章も読みやすくてよかった。風太と猫柳さんの関係も、楽しく描かれている。こど... | ||
アジアン怪綺 (光文社文庫)井上雅彦 ¥ 980 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
アジアン怪綺 (光文社文庫) | |
| 小説のみならず、マンガやイラストなど、複数ジャンルの作家によるホラー短編作品集、異形シリーズの第28弾は「アジアン怪綺(ゴシック)」。その名の通り、アジアを舞台にした様々な怪異が語られます。インパクトのあるカバーは、水木しげる氏所蔵の仮面で、今回は各作品の扉に氏がアジア各国で集めたという仮面や像が使われており、異国情緒を漂わせています。さて、アジアというテーマはなかなかホラーと相性がいいのか、今回は中国を舞台とした怪奇話をはじめ、アヘン漂う魔都上海・香港の怪しくも魅惑的な話や、韓国の支配階級の家における怪異譚という珍しいものなど、地理的に比較的に近い場所を舞台としたものから、更に様々な呪術が未だに連綿と続いていそうなバリや、フィリピンや熱帯ジャングルでの戦争を描いた作品、イスタンブールを舞台としたものなどかなりワールドワイド。静かに女性の「情念」を描いたゴシックなホラーである石神茉莉の「鳥の女」や、カフカの「変身」を思わせる内容ながらも、バリという舞台が非常に独特な効果を上げている友成純一「爛れ」といったところが良かったですが、中でも今回は朝松健の「ずい(字がないです)」が秀逸。これ... | ||
姦狩~凌辱報告書~ (パンプキンノベルズ)¥ 924 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
姦狩~凌辱報告書~ (パン... | |
| 姦狩?凌辱報告書?主人公の表向きの職業は興信所の調査員。実は容姿端麗で従順で賢く、性技にたけた少女犬を育てること。プロローグ、第1章美鈴の告白(年の離れた売れっ子の予備校講師の人妻でありながら主人公のペットになる。)、第2章沙紀の告白(生粋のお嬢様。おとされて主人公の犬になる)、第3章遙の告白(一人暮らしを始めたばかりの少女。生活苦からあるバイトを初めたのをきっかけに最終的に主人公の犬になる)、エピローグ(公私ともにサポートする少女っぽい容姿のあやねとエッチ) | ||
江戸川乱歩全集 第15巻 三角館の恐怖 (光文社文庫)江戸川乱歩 ¥ 1,000 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
江戸川乱歩全集 第15巻 ... | |
| 乱歩ファンにとっては、戦後初の作品である「青銅の魔人」が読めるだけでも嬉しい。 少年時代に夢中になって読んだ「青銅の魔人」 大人になって読むと、そのあまりに陳腐なトリックに愕然とする箇所も多々あったが、それも含めて乱歩の魅力だ。 トリックが陳腐だろうが、論理が破綻していようが、乱歩なら全てが愛おしい。 漫画やゲームはもちろん、食料さえ満足にない時代、少年達に正義と勇気の物語をプレゼントし続けた功績はあまりにも偉大だ。 その一点だけでも乱歩に対して敬意の念を覚える。 昭和の少年達は、この物語を読んで育った。 内容を語る以前に功績だけでも文句なしに☆5個の評価。 翻案物である「三角館の恐怖」は乱歩の作品の中でも屈指の名作。 奇妙な形の西洋館を舞台に、「少しでも長生きした方に全財産を譲る」という奇妙な遺言を巡っての殺人事件を扱った本格推理物。 三角館という限定された舞台での攻防は手に汗握る緊迫感がある。 戦後初の短編である「断崖」が収録されているのも資料的価値が高い。 乱歩ファンなら押さえておくべき本である。完全密室のエレベータ内でおきる殺人事件としては 白眉の出来として知られる長編... | ||
スノウ・グッピー (光文社文庫)五條瑛 ¥ 1,000 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
スノウ・グッピー (光文社... | |
| この著者の作品には、格好良すぎの登場人物が多いですが、これもその例に漏れません。それぞれの夢や信念を賭けた男達の思惑が絡み合いながら、消えた“グッピー”の謎が明らかになってゆきます。結末もいつもながらのどんでん返しでした。でも、軍需なんたらとか防衛かんたらが、苦手な人はちょっと読むのがつらいかな。あと、この作品男同士の話しのやりとりが異様にホモくさく、かーなーり妖しいです。はっ、主人公があんなことされてるっ!?ってな感じ。スパイとイイ男とアヤシイ雰囲気がお好きなお姉さまお勧めデス近海とその上空で繰り広げられている現状をもとにして、電子戦にまつわるエスピオナージを構想する筆者の力量は素晴らしい。筆者の経歴を考えれば、100パーセントの嘘とは思えないし、かといって100パーセント真実だともいえないだろう。筆者自身もフィクションだといっていることだし…。しかし、今日の国内における安全保障論議を聞いていると、このような「陰謀」が実際進行していてもおかしくないな、と思わせるほど現実味を持って迫ってくるものがある。 | ||
震災列島石黒耀 ¥ 1,890 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
震災列島 | |
| その娘はヤクザに犯され、自ら死を選んだ・・。そしてついに来た「その日」。日本全土を襲った巨大地震、予想をはるかに超える大震災の街を、復讐を誓った父親が奔る・・。 「死都日本」の作者の2作目。前作と同等かそれ以上の豊富な知識と卓越した筆力で、「本当の震災」の来たるべき姿を、迫真のリアリティで描いています。 東海地震と東南海地震の違いとは?地震予知の実際とは?震災が起きたとき、都市は、政治は、経済は、私たちの預金や資産は、一体どうなるのか? 本書を読むと、必ず来ると言われる大地震について我々がいかに無知、あるいは大きく勘違いしているのか、思い知らされます。本書が伝えるのは、日本人がこの先、未来永劫直視しなければいけない「日本」という国土の、私たちの知らない本当の姿であり、世界で起こる大規模地震の20%以上が集中する、世界でも類を見ない地震国に住む人間にとっての「生き抜く知恵」です。 惜しむらくは、あれだけ悲惨な娘の死があったにも関わらず、その前後で主人公の性格描写や台詞まわしに変化がなく、それだけに少し軽薄で不快に感じる部分がありました。 また、方言の正確な記述にこわりすぎて、その地... | ||
ファウストvol4 (講談社MOOK)乙一 北山猛邦 佐藤友哉 滝本竜彦 西尾維新 ¥ 1,470 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
ファウストvol4 (講談... | |
| このファウストvol4の見所はなんといっても、乙一・北山猛邦・佐藤友哉・滝本滝彦・西尾維新の五人によって、同じ『上京』と言うテーマについて書かれた競闘小説と、五人の合作によって書かれたリレー小説、『誰にも続かない』だと思います。 特に、競闘小説のほうは『上京』という同じテーマで書かれている分、作家の特徴がよく現れていると思うので、この五人に興味がある方は読んでみると面白いと思います。まだ全部読んでいないが(読むつもりもないが(笑))一応レビュー。 乙一、北山 猛邦、佐藤 友哉、滝本 竜彦、西尾 維新の五人で文芸合宿やってます。正直これだけのためにファウストの、それも結構前のナンバーを買ったと言っても過言ではありません。('-,_ω-`)プッ 合宿先では五人がそれぞれ「上京」をテーマに短編を書いております。そしてリレー小説といった五人が力を合わせて一つの作品を作り上げるといった企画も行われております。これは非常に面白いです。 競作ではやっぱり乙一が一番ですかね。何より「上京」というテーマをうまく使って書いてます。ほんわかして、しかしちょっぴり鬱が入りそうな内容の作品に仕上が... | ||